平成26年度第3回調布市男女共同参画推進センター運営委員会 議事録(要旨)  1 日時    平成26年11月20日(木)午後6時〜8時30分    2 場所 市民プラザあくろす ホール 3 出席者(五十音順,敬称略)16人   市古委員長,岩井委員,熊崎副委員長,菅野委員,角委員,高橋委員,   小森委員,田村委員,二宮委員,内藤委員    オブザーバー    朝日センター長(市民活動支援センター),    田口香子(株式会社地域計画連合)    山岸係長(総合防災安全課)    童亜斐(首都大学東京 都市環境学部 建築都市コース 都市防災研究室)    事務局 内田,塚原 4 内容 (1) 開会 (2) ワークショップ 「首都直下型地震に備えて多様な視点で考える地域防災〜男女共同参画推進センターができること」    AとBの2グループに分かれ,予め準備した調布市民の様々な世帯像から「男女共同参画推進 センターと関わりのありそうな」世帯を意識し,被害想定と10の世帯ロールに基づいて,発災直後, 3日後,1週間,1か月後の時点でどんな不安や課題が生じるか考え,模造紙に時系列で整理する。 模造紙成果を踏まえて議論。     ア 被害想定   冬の1月中旬夕方16時,一番火災被害が大きくなる時間帯   首都直下地震,大きな被害が出ると懸念されている地震が発生   市内4か所程度で延焼被害(初期消火に失敗)が発生して,339棟の火災が発生   揺れによって全壊1.6%,半壊8.5%。   電気・上水道・都市ガスが供給停止,鉄道は全線運行停止     3日後でやっと学校避難所では温かい炊き出しが1日2食   ライフラインは依然として復旧していない   自宅断水のためトイレ問題の深刻化,避難所を中心に高齢者の健康問題が懸念される   鉄道交通については3日後時点ではまだ復旧見込み未定   幹線道路は渋滞が続く     1週間後,ライフラインが暫定的に復旧しだす(電気50%,水道60%,ガス70%)   学校避難所では避難所ルールが軌道に乗って,運動不足の解消のために朝はラジオ体操等   在宅避難生活ということで,寝泊りは在宅でするけれども,まだスーパー・コンビニは動いていない   近所の公園やオープンスペースで仮設のトイレ,シャワー,物資配布といった生活支援拠点を住民主  体で設置運営   トイレ問題は,水道が流れ出すとかなり解消されるとはいえ,継続が余儀なくされる    1か月後,電気は依然として5割くらいの供給量,電線は大丈夫だが計画停電というような形で点く  時と点かない時が出てくる   水道7割,ガス8割   みなし仮設といわれる,空き家に家賃を行政で補填して住むという仕組みが動き出す   一部プレハブ仮設も完成して入居していく   学校避難所の人数が減少していく   小中学校でも暫定的に授業が再開して,幼稚園保育所でも徐々に保育が再開される   在宅避難も生活が元に戻り始め,一部疎開をさせていた小さな子どもやお年よりも少し調布に戻ってくる   市内スーパーでは営業が徐々に再開する    イ ワークショップの感想・まとめ  オブザーバー:私は何か困ったことがあった時に,男女共同参画推進センターの門をたたくかな,と思っ ているんです。私が考えたロールモデルのような,妊婦でつわりがあるので情緒不安定になっちゃってとい うような人が,ここに相談には来ないですよね。私は自治会長さんに進められてきたという設定にしました が,やっぱりそういう口伝というか,ここを理解してくれる人をいかに町の中に増やしていくかというのが, いざという時に役に立つのではないかと思いました。  委員:ワークショップをやってみて,気持ち的に色んな風に動いていくものだなということが,色んな人 がいて,という想像がちょっとできました。そこでセンターの存在がうまく働いていくと何かピンチがチャ ンスになって,センターがあって良かったという風になればいいなというぐらい,すごくもしかしたら大き い機能を持ったところになるのかなと思いました。でも普段からセンターの存在を知っているとか,利用し てるという人はあまりいないと思うので,それはどういう風になっていくのかな,普段がもっともっと大事 なのかなとすごく思いました。  委員:ハード面の支援というところも必要だと思いますが,今回見ているとソフト,心の病というか,そ こをどのようにフォローしてあげるかというところのニーズがたくさんあるのかなと思いました。そうした 中で様々なニーズが出てきているので,センターとしてはいったい何ができるのか,震災時にどういったニ ーズが本当に高いのかということを日頃から考えておく必要があり,どういったことができるのかというこ とを震災が起こるまで周知徹底しておく,そういうことをしておくと利用者がいざとなった時に,あそこに いったらいいんじゃないかと思われる状況をつくれるんじゃないかと思いました。  委員:私は,自分が担当したのは若い大学生ですけれども,避難所にずっといなければいけないので,思 ったのは,避難所に行くというようには考えられなくて,地方から出てきている大学生は一番いいのは帰る ことだと思うんです。ボランティアをやるにしても,自分の住むところがちゃんとあってボランティアに来 るのはいいと思いますが,自分の寝るところも苦労するとなると,そういう人が手伝うのは厳しいんじゃな いかなと思ったので,最終的にはボランティアをやる気持ちも起きるかもしれないけれども,周りから考え たらやっぱり帰った方がいいのではないかと思いました。もう一つは,妊婦の方もマンションに住んでいる とたぶん大丈夫なので,避難所には来ないかなということで,ただ,つわりがひどいということなので一番 には病院を考えるだろうなと。避難所にも妊婦とかお年寄りの方とかのスペースは用意してあるでしょうけ れども,どうなのかな。ここに着た時に,そういう指示がすぐできるかどうかというところだと思います。 避難所運営の立場でいながら,実はケースによってはそこまで出てこなかったですね。  委員:一番初めの方がおっしゃった,当日男女センターには来ないよというのは,本当にそうだろうなと 思いますけれど,ただ,だからこそこうやって話をして,総合防災安全課の方が中心としていくシステムに 組み入れることはできるのかな。ここは男女共同参画と言っていますが,弱者への配慮ですよね。弱者への 配慮というものをどれだけ私たちのものとしてできるのか,というのがとても大事で,もちろん起きてしま った時には,トップになる人たちの人格というか,指示によるでしょうけれども,そのシステムに組み入れ るということで今日は考えたと思っています。ここでは特に女性のこととか,弱者,障がい者を考えていま すけど,男性も弱いんですよ。言っておきたいのですが,男性も弱いんです。僕はここに書いた時に思った のですが,仕事がなくなっちゃうと,男性はすぐ精神的に死んじゃったり,酒飲んだりするんですよ。それ に対する配慮はここのセンターがすべきだろう。男性もよろしく。  委員:私は,例としましては,女性の単身世帯,それで非常に月経が重いというタイプの方と,65歳の 女性と70歳の男性,その男性の方が身障者というケースを担当しました。2人とも最初は動けないという こと,そのような動けないケアを,どこがどのようにするのかという問題があって,センターの役割として は,例えば,月経が重い人は絶対にセンターを知らない。けれどもふと見たらセンターがあったので,立ち 寄ったら月経困難に関する情報は貼り出していなかった。センターの職員も2人しかいなくて,なかなか声 が届かなかったというようなことでした。身障者の方もやはりDV関係でしたので,連れ合いの方がセンター にどのように相談に行ったらいいのかという悩みを持っているという立場でありました。最後に,やはり防 災の分野で男女共同参画推進センターが関わるというのは,大きな震災の中で,女性が男性に加わってやる のには,仕組みが必要ではないか。関わっていく仕組みが必要だし,その内容も情報として知らされていな ければならないということを感じました。  委員:私は特異な例なのかわかりませんが,消防署の人を考えたので,全体のピントからかなり外れたの かなという風に思いました。男女共同参画推進センターに関しては,私も皆さんと同じ意見なんですけど, きっとこのままでは誰も相談に来ないだろうなと思います。それでは,センターとしてはこういうことに向 けて何をすべきかという,今回のテーマと全く同じことになりますが,例えば組織立てをやっていくとかい う話もされましたけれども,やっぱり各々の人が何らかのスキルを持たないと,いざという時に組織に組み 入れられるとか,ボランティアに行くにしても,人の足手まといになるだけであって,他の人を助けること に繋がらないと思うので,それは男性であろうと女性であろうと一緒なので,女性には女性なりの役割もあ るだろうから,こういう時にはこういうスキルを持ちましょうという訓練だとか,そういったところをセン ターとして事前に,1回や2回だけでは駄目でしょうけど,そういうものをやるのも一つの道なのかなと思 いました。  委員:私はいろんな人がどんな風に考えるかという時系列を見ることによって,たぶんセンターを利用し てくるのは一週間を過ぎてからになるのかなと思ったので,センターとしてできることを考えるのは,ライ フラインがある程度整ってきた時にどうできるかというのを考えつつ,その前に関しては,市民の人たちが みんな意識を持つような働きかけをすればいいんだなと気づきました。センターは一週間から一か月後に動 けるような体制を作っておけばいいのかなと気づいたという感じです。これでやっと気づきました。 オブザーバー:実際の避難所の運営というのは,結果的には地域住民の方の避難所運営にお任せせざるを得 ないので,いくら行政側が計画の策定時にそういうことを配慮して欲しいと記載していたとしても,結局は 地域住民の方に,東日本大震災でこういうことで肩身の狭い思いをした女性の方,障がい者の方がいました よというエピソードを踏まえて運営をしていただくことになります。どうしても限界がありますので,そこ が課題というか,今,避難所マニュアルという,地域住民の方を中心にマニュアル作りを進めておりますが, 当事者でないと気持ちや苦労がわからない部分もあります。今後,幅広く皆さんから御意見を頂戴しながら, 避難所マニュアルのガイドラインを変更したり,当事者からお話をいただいたりする機会があればよりいい なと思います。避難所運営は防災担当職員だけでなく,地域住民の皆さんにお任せせざるを得ない部分が多 くありますので,運営主体となっていただく方の意識が変わらなければ,そこが課題という風に思っていま す。細かなニーズ,配慮しなければいけないことがうまく浸透するということを考えれば,そういった方々 の直の声でお考えいただくような機会があればよいのかなと思いました。  委員:課題となっていたのは,避難所運営のことが非常に重要視されました。物資のことですとか,避難 所内での区分けとか,着替えの場所ですとか,そういう諸々のことで東日本でも色んな問題が起きたという ことが話題になっていまして,それぞれの対策は考えられているでしょうけれど,どこまで検討されて,且 つ,避難所マニュアルがどの程度,できているのでしょうか。そこにどのくらい組み込まれたのか,また, 運営する人たちの意識が変わったのかというのはちょっと問題のあるところかなと思いましたが,今回の話 し合いの中で出たのは,避難所に行かない人も多分に多いという想定のもとに,心のケアというのが非常に 問題になったところです。ここでも何回か言われていますが,果たしてセンターがどれだけ知られているか, センターに相談に来るかと言われますと,そこが一番の課題であり,その辺の情報提供の必要性と,センタ ーの職員もそれぞれの避難所をできるだけ回って情報提供をして,何か心配事ができた時にはぜひ相談して くださいという体制を整える必要があるのかなと思いつつ,その体制を男女共同参画推進センターとしてど う立ち向かっていくか,というのが一番の課題になるのかと感じました。  委員長:ありがとうございました。おおよそ予定していた時間が参りました。大事なキーワードが出たか なと思いましたので,これを次回きちんと整理して全体の場で議論できれば,かなりいい成果,いいアイデ アができるのかなと思いました。皆さん,グループワークありがとうございました。 (3) その他 平成26年度男女共同参画推進センター事業実施状況(報告)  事務局:資料5を御覧ください。こちらは今年度センターで行った事業,もしくはこれから予定している 事業を挙げています。今年度は若い世代を対象にした講座や,一年間を通して育休復帰応援講座ということ で,シリーズで育休を取得している夫婦を対象に講座を実施しました。  また,これまで若い世代を対象にした講座を実施することができませんでしたが,講座の時間帯を平日の 夜に実施したところ,考えていた以上に平日の夜にニーズがあるということがわかりましたので,今後も平 日の夜の開催を検討していきたいと思っております。  育休復帰応援講座は,これまでも毎年実施しておりましたが,今年度はシリーズ化して実施いたしました。 数か月にわたってご参加いただくことで,より理解していただくことができたのではないかと考えておりま す。以上です。 (4) 閉会  副委員長:お疲れ様でございました。このような時系列で皆様と話し合うことは,最初はどのようになる のかなと思いましたけれども,結果とてもいい成果が出て方向性が見出したと思っております。皆さん,忌 憚のない御意見をいただきまして,ありがとうございました。この次の回にこれを使って協議したいと思い ます。今日は本当にありがとうございました。 5 次回日程   平成27年1月27日(火)午後6時30分〜8時30分   場所:市民プラザあくろす3階 研修室3