令和3年度第1回調布市男女共同参画推進センター運営委員会議事録 要旨 日 時 令和3年8月23日(月)午後6時30分から8時まで 場 所 市民プラザあくろす ホール 出席者(敬称略)10人 浅井委員,池田委員,石井委員,老川委員,大槻委員,金子委員,神永委員, 中野委員,堀委員,田中委員 事務局 男女共同参画推進課 市川,井上 傍聴者 1人 1 開会 (1) 新任委員挨拶 (2) 事務局職員挨拶 2 報告 (1) 調布市男女共同参画に関する意識調査の結果について ◆事務局より,資料4に基づいて意識調査結果の概要について説明 市民,事業者を対象とした郵送調査を令和2年11月に実施。主な結果として,女性が家事・育児・介護の多くを担っており,新型コロナウイルス感染症拡大後においても女性への負担が男性より大きかったこと,女性の約5割が何らかのハラスメント被害を受けたことがあること,回答者全体の15%が家族・親族・知人などから暴力を受けたことがあること,全体の2%の人が自身の性について悩んだことがあり,若い年代ほどその割合が高い傾向にあること,男女共同参画推進センターを知らない者が約7割,利用経験者が2%程度であり,認知度が特に低いことなどが明らかとなった。 委員長 事務局からの報告に質問はあるか。 委員D 調査結果の経年変化はどうであったのか。少しずつ状況が改善しているならば,報告書に盛り込んでもらいたいし,悪化しているのであれば重点的に取り上げるべきである。 事務局 一部の設問について,平成22年度調査との比較を報告書に掲載している。高齢者の介護が主として女性の役割になっていると思う人の割合は,平成22年度調査の71.9%が今回調査で59.4%に減少した。仕事・家庭生活・個人生活の優先度(現実)について,男性回答者で仕事を優先する割合が53.5%から29.1%に減少している。一方,男女共同参画推進センターの認知度については,平成22年度調査と大きな差が見られない。 委員D 報告書の概要版は主要な集計結果を載せるだけではなく,前回調査との比較や,そこから見える調布市の状況,男女共同参画推進センターの意義などを盛り込んでアピールしてほしかった。可能であれば,調査結果を次期プラン策定のプロセスの中に位置付けてほしい。 委員長 新型コロナウイルス感染症の影響下でDVの相談件数が減少している点については,どう分析しているのか。 事務局 全国的には,新型コロナウイルス感染症の拡大前後でDV相談件数が増加しているが,調布市では平成30年度をピークに減少傾向であり,その原因の特定は困難である。他市では新型コロナウイルス感染症の影響で女性のための相談事業を中止した例もあるのだが,調布市では継続してニーズに応えてきた。 調査結果からは,被害者のうち実際に相談した人が2割程度であることがわかる。新型コロナウイルス感染症の影響で在宅して配偶者と同居する時間が増加していることから,被害者が相談できず,潜在的なニーズがあるものと認識している。こうしたニーズに対応できるように市として努力したい。 委員F 男女共同参画推進センターの認知度があまり変化していないとのことだが,認知されないと相談につながらないと思う。このことについてどう考えているのか。 事務局 課題であると認識している。センター独自のホームページを開設したり,イベント等の情報発信をしていく中で,少しでも周知につながる取組を継続したい。 委員長 このほかに特徴はあったか。 事務局 男女の地位に関して,学校教育の場については全体の3分の2が平等になっていると回答しているが,社会全体としては男性の方が優遇されているという回答が8割弱であり,これは平成22年度調査と同様の傾向である。依然として男性優遇という意識が強い。 事業所調査については,女性管理職が少ないことが課題となっている。その理由として,女性の家事・育児負担が大きいこと,それに伴って経験を有する女性がいないことが挙げられている。就労環境を整備しないと改善されないと認識している。 委員長 ワーク・ライフ・バランスや多様な働き方についてはどうか。 事務局 男性は仕事,女性は家庭を優先させているという回答が多いが,平成22年度調査と比べて仕事を優先しているという回答は大幅に減少している。 委員D クロス集計を10歳刻みで行っているが,例えば前回調査時の20歳代の回答者の結果と,今回調査(10年後)の30歳代の回答者の傾向の変化の分析を行っていれば,教えてほしい。 事務局 年代別の経年比較までは実施していないので,即答できない。 委員D こうした視点で分析して,センターの活動や社会的な啓蒙活動で比較的影響を受けやすい世代が何歳くらいまでだと分かれば,その年代に重点的に情報発信していくという施策につながるのではないかと思う。いくつかの項目で取り組んでみるとよいと思う。 委員長 調査報告書に掲載されているクロス集計について,色分けはどのような意味があるのか。 事務局 濃い網掛け部分が最も多い回答,薄い網掛けが2番目に多い回答である。なお,回答者総数が30人を下回る項目については網掛けをつけていない。 委員長 調査結果はどのように活用するつもりか。 事務局 調査結果の主要な点については,次期プラン策定の参考にする。 委員E 意識調査結果を見ると教育が大事と書いてあるが,今の中高生・大学生までは学校教育でいろいろと学んでいると思う。施策の中で,男女共同参画を意識啓発する上でのメインターゲット層が決まっているのか。年代によって考え方が違うので難しいとは思うが,今回の調査を通して,どの辺りの年代をターゲットにしようとしているのか。 委員I(内部職員) ご指摘のとおり,若年層では先入観がなく素直に物事を見ることができるので,ターゲット層として大事であると考えているのだが,主に働きかけるのは学校であり,男女共同参画推進センターとしての関与が難しい。現在,男女共同参画推進センターで中学3年生対象のデートDVの出前講座を実施しているが,デートDVに限らない男女共同参画の視点での働きかけを行うのは,学校のカリキュラムとの兼ね合いがあって難しい。どういう提案をすれば学校と協働できるかということが長年の課題である。 委員E むしろ学校の方がある程度心がけていると思う。 委員I(内部職員) 内閣府と文部科学省が「生命(いのち)の安全教育」として,性暴力被害から自分をどう守るかという観点でモデル校で取組を行っており,令和5年度から全国展開する方向である。こうしたムーブメントを国全体で受け止める中で,男女共同参画推進センターとしても,この取組を全国的に展開できるような働きかけの一翼を担う必要があるのではと考えている。 調査結果では学校教育について全体の3分の2が平等であると感じており,教育内容も以前から大きく変化している。事業にどう取り組んでいくか,皆さんの知恵も借りながら進めていきたい。 委員E 学生のときに学んだことが社会に出たらいろいろと違っている,というギャップをどうすれば埋められるのだろうかと思いながら,調査結果を見ていた。 委員H ワーク・ライフ・バランスの推進は企業の協力が必要となる。前回調査ではヒアリングを行い,今回は郵送調査で対象事業所数を増やしたとのことだが,調査方法を変更した経緯を伺いたい。 事務局 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況下で訪問ヒアリング調査は困難であることから,郵送調査とした。結果の分析には一定数の回答を集めることが必要であるため,60件程度確保した。調査結果を通して,多くの事業所が女性の活用に当たって育児・介護との調整が難しいという課題を抱えていることが分かった。 委員B 今回の調査で男女共同参画推進センターが認識した一番の課題は何か。また,この調査を通して,調布市の良さは何であると認識したのか。事業者調査について,対象となる企業の規模はどう選定したのか。中小企業が多く入っているのか,大企業を含んだ中から選んだのか。 事務局 家事・育児・介護について女性のほうに負担が偏っており,男性が優遇されていると認識されていることが分かった。なおかつ,DVの被害は女性の割合が高く,こうした点を課題であると認識している。 良くなってきた点としては,仕事と家庭生活,個人の生活の優先度合いについて,以前と比べて自分の時間を優先させている割合が高くなっており,新型コロナウイルス感染症の影響もあってか,考え方が変化しているのかと思う。 事業所調査の対象については,一定の規模以上として,資本金や従業員数,業種のバランスをとって選定した。 委員B 事業規模が大きい事業所の方が福利厚生制度は整っていると思うが,調査結果で顕著な差は現れているか。 事務局 制度的な面は大規模の事業所の方が整っていると思う。ハラスメント対策の線引きが難しいということについては,規模にかかわらず問題を抱えている。 委員C 仕事を優先している男性の割合が53%から29%になったことについては, 10年前と比べてこんなに変わってきたのかと感じた。仕事一辺倒ではなくなってきていることがわかったので,経年比較は大事だと思った。 家事・育児の分担の理想と現実の比較について,女性回答者の約8割が現実に女性が育児を担っていると思っているのに対し,男性回答者の22.6%は男女同程度に分担していると思っており,感覚にギャップが生じている。10年前も確か同様の結果であり,この辺の意識の差は埋めがたいと思う。今年のフォーラムしぇいくはんずの企画「わたしの本音,アナタのホンネ」でも同様の意見が出ていた。可視化して意識のギャップを埋めるような企画を続けてもらいたい。 委員長 他に意見等があれば,後日事務局にお寄せいただきたい。 3 議事 (1) 次期男女共同参画推進プラン策定(骨子検討案)について ◆事務局より,資料2に基づいて骨子案の概要について説明 今年度が現行プランの最終年度であり,現在,新たなプランの策定作業を進めている。本日はその骨子案を提示する。 1ページ目左側では,世界,国,東京都の動向を整理している。近年,ジェンダー平等や多様性の視点に焦点が当てられるとともに,国では女性活躍の視点が強く打ち出されている。中段では市のこれまでのプラン策定における視点を,右側では調布市の現状を整理している。人口の状況は,調布市は他市よりも有利な面があるのだが,家事・育児が女性の負担となっている面が見られる。下段では,主な課題6点を整理した。 2ページ目では計画の趣旨や位置付け,期間を整理している。国の第5次男女共同参画基本計画や女性活躍推進法を意識して,5年間のプランとする。現行プランの重点プロジェクトの指標が全て達成されたわけではないので,次期プランにおいても基本理念を引き継ぐこととする。基本目標1では,「多様性」を人権問題と捉えて位置付ける。基本目標2「ワーク・ライフ・バランスの実現と働く場における女性活躍の促進」は,女性活躍推進計画としての位置付けを明確にして,主に市役所以外の事業所への働きかけを中心に位置付ける。基本目標3は働く場以外のあらゆる場における男女共同参画の推進を目指す新たな目標である。基本目標4は,市役所を拠点として行う取組を集約した新たな目標である。今後,施策の方向ごとに2〜3個の施策を位置付けたいと考えている。 委員長 事務局からの説明に質問はあるか。 委員D このプランは男女共同参画推進センターのプランなのか,市としてのプランなのか。位置づけを教えてほしい。 事務局 全庁で取り組む行政計画であり,各部署で男女共同参画の意識をもって施策に取り組んでもらうもの。男女共同参画推進課のみの計画ではない。 委員D 現行プランに基づくそれぞれの施策の評価は,今年度が終わったところで出てくるのか。 事務局 プランの進捗状況については,毎年度各課に調査して,実施状況を報告書として取りまとめている。また,今年度はプラン改定に際して,計画期間全体としての振り返りも行っている。 委員D そのとりまとめはまだできていないが,現行プランの評価はある程度の見込みで行い,次のプラン策定に進むという理解でよいか。 事務局 資料2の2ページ目の中央の「現行プランを通した課題」部分で過去5年間の施策の振り返り結果としての課題の概要をまとめている。重点プロジェクトの状況としては,半数程度が達成ないし達成見込みである。 委員D 達成,未達成というのは,個々の項目の評価のことなのか。指標の話なのか。 事務局 評価は個別の施策ごとに各課で行っているが,ここでは各基本目標の重点プロジェクトの指標の達成状況から達成,一部未達成と表記している。 委員D 最終的には各施策担当課の意向を盛り込んでプランを確定させるのか。 事務局 そのとおり。本委員会と並行して庁内の関係各課を集めた会議を開いており,次期プラン策定に向けて提案を行い,意見を受けている。例えば介護・高齢福祉分野では,男性の介護への参画の取組を強化すべきという意見があった。また,教育については,人権教育の一環として捉えざるを得ない中で,男女共同参画のみを特別に謳いこむのが難しいという意見もある。最終的に実現できる施策を絞り込むことがこれからの作業となる。 委員D 本委員会からの意見を反映するための締め切りはいつごろか。理想と現実を調整する必要があると思うので,意見を早めに出さないと間に合わなくなると思う。 事務局 12月にはパブリックコメントに向けた原案を固めたいので,10月と11月の委員会で積極的にご意見をいただきたい。 委員G 資料2の1ページ中央の「第4次プラン改訂版における取組の状況」について,令和2年度末時点で半数程度の指標が達成ないし達成見込みとのことだが,令和3年度に100%達成されるのか。それとも,半数程度にとどまる見込みなのか。 事務局 令和2年度から3年度にかけて100%達成となるとは想定していない。達成できない部分については,次期の課題であると認識している。 委員G 未達成の指標は次期プランでも指標とするのか。 事務局 内容を判断した上で,見直しもあり得る。社会の動向を見て判断したい。 委員長 未達成の指標が半分であるので,資料として提示してほしい。 事務局 現行プラン53ページに指標一覧があるが,こうした形でまとめて提示する。 委員C 重点プロジェクトの指標のうち,市審議会の女性委員割合の目標が未達成であることにがっかりした。課長級以上女性職員割合については,近隣市で20%を超えている例がある中で,調布市では13.4%にとどまっており,愕然とした。現行プラン策定前の平成27年度時点から3ポイントしか上昇していない。年数をかけても上昇しないのはなぜなのか。他市でできているのに調布市でできないことについて論議してほしい。議論しないままでは,次期も達成できないことを危惧する。 また,男性職員出産支援休暇取得率の令和2年度実績についても,平成27年の91.3%を下回っている。目標未達成であり,プラン策定時よりも後退している理由について,広く市役所内で話し合ってほしい。目標未達成の場合,何かペナルティがあるのか。 事務局 ご指摘の点については重く受け止めたい。審議会等委員のうち,外部委員(市職員以外の委員)の女性比率を見ると,令和2年度時点で37%となっている。ただし,これは職員の管理職に占める女性の割合が低いことを表している。人事課が中心となって女性管理職を増やそうとしているが,伸び悩んでいるのが実態である。ワーク・ライフ・バランス,女性活躍を進める上で必須の事項であると認識しており,引き続き努力したい。 委員A 基本目標2を市役所以外の取組とするのはなぜか。 事務局 市役所の取組については基本目標4に位置付けるため。基本目標2は市から事業所への働きかけを通して,調布市市全体としてのワーク・ライフ・バランスや女性活躍促進を図ることを目指す。 委員長 次期プランの策定について,今後どのように検討を進めるのか。 事務局 骨子案が固まった後に,施策の方向に施策を位置付けて施策体系を整理する。次回,10月に行う委員会ではそれを提示したいと考えているので,骨子案についてのご意見は9月中旬までにいただきたい。施策が決まったら,所管課と調整を図って,最終的な案を固めたい。第3回(11月)にはパブリックコメントを前提とした素案を提示し,細かい調整を行いたい。年内に行う作業は以上のとおり。 委員長 他に意見がなければ,本日の議事はここまでとする。事務局においては,本日の議事で挙がった各委員の意見を反映していただきたい。 (議事は以上) 4 連絡事項 第2回運営委員会は9月頃を予定。日時については改めて調整を行う。